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境野米子の自然暮らし

築150年の茅葺きの古民家を修復し、暮らしはじめて16年。おいしい水が湧き、囲炉裏があって、四季折々の恵みにあふれる暮らしを楽しんでいます。

2011年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年07月

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山田國廣先生の放射能除染原則と除染の方法(案)

山田國廣先生の放射能除染原則と除染の方法(案)

1.除染原則
1.1 放射性物質を土壌、水、大気中に拡散させないで可能な限り汚染場所から剥ぎとる。
1.2 汚染場所から剥ぎ取られた放射性物質を含むPVA膜、土壌、植物などは、除染場所周辺の適切な場所(例えば、人があまり近付かないような場所)において安全な状態で一時保管する。
1.3 除染作業に伴う放射線被曝(外部被曝、内部被曝)を可能な限り少なくするように配慮し、作業中の空間線量率積算値を測定し、外部被曝量を監視・測定する。
1.4 除染前後の空間線量率の測定と写真撮影を行い、除染効果の確認と記録を残す。
1.5 除去された放射能汚染物質は東京電力が引き取り、最終的には福島第一原発へ戻す。
1.6 除染に要した経費、人件費、健康的・精神的被害については東電および日本政府が補償する。

2. 除染前測定
2.1 測定箇所は、建物外側を構成する土、石、樹木(葉っぱ、幹)、雑草・コケなど植物、敷石、アスファルト、コンクリート、タイル、モルタル、瓦,スレート、樋、庇など材質別に存在範囲を確定して材質の表面(被曝状況把握のため場合によっては50cm、1m高さも測定する)の空間線量率を測定する。測定は、鉛板で囲んだ局所測定と、周囲からの放射線影響を入れた鉛板無しの測定の両方を併用する。
2.2 建物内についても、各部屋を構成する材質別に土間、畳、板、タイル、カーテン、壁紙、ガラス、天井などの表面と、各部屋の床面、50cm、1m,天井の空間線量率を測定する。
2.3 マイクロ・ホットスポットの確認
 住宅敷地内、道路、駐車場、児童公園などの事前調査により、マイクロ・ホットスポットの存在場所はおおよそ分かっている。
高い汚染が発見されるのは住宅の場合、樋から流れ出した土壌、樋のない屋根の雨だれ跡、枯葉や土が溜まっている樋、落葉や土が堆積している側溝、松などの針葉樹の葉っぱ、コケがある場所などである。中程度の汚染は、敷石、緑地、雑草などである。
 駐車場の場合は、雨水が側溝に流れ落ちる端が、ライン状にホットスポットになっている。児童公園などの場合、滑り台の下、ブランコの坐り台の下のへこみ部分、鉄棒の真下のへこみ部分が高線量ホットスポットになっている。砂場や雑草は中程度に高い線量率である。
 これらホットスポットを事前に確認して、作業中は可能な限り近づかないようにすることと、優先的に除染するように配慮する。
2.4 汚染の見える化のための線量率の区分け
 除染作業を安全かつ効果的に行うため、汚染レベルを5段階に区分けして、可能であればPVA液や不織布を色分けして塗布する。
 ① 1μSv/h以下
 ② 1~3μSv/h
 ③ 3~5μSv/h
 ④ 5~10μSv/h
 ⑤ 10 以上

3. 除染方法
3 . 1  P V A 液塗布の前処理
 マイクロ・ホットスポット(2.3で指摘された場所)を確認して、局部的に様々な道具(スコップ、小手、枝切り挟み、布テープ、粘着ローラーなど)を使用して除去する。PVA液の塗布に先立ち、雑草、松などの常緑針葉樹の勇定、落葉やコケの取り除き、小石の取り除きを行う。除去された汚染物質は、土のうに入れ、一保管場所へ安全を確保して保管する。
3.2 剥がし方の原則と剥がし液の特徴
3.2.1 除染方法の基本は、剥がし液(PVA)によって、①固い表面を有す物については膜を形成して剥がす②土のような柔らかい表面を有する物については固めてから剥がす、という2種類である。
3.2.2 剥がし液(PVA)の特徴
 日本における高分子化学の先駆者である京都大学の桜田一郎教授(1904-1986)が京都大学在職中に発明したビニロン繊維の原料である。ポリピニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)は、合成樹脂の一種で示性式は(-CH2CH(OH)-)nの重合になっている。合成樹脂としては特殊な性質があり、分子中にヒドロキシ基(-0H)があるため「温水に溶ける」という特徴がある。親水性をいかして、バインダー(つなぎ剤)、界面活性剤として使用されている。製造元から濃度を指定して購入することができる。
 市販されているものでなじみのあるのは、700mlポリ容器入り(1本100円から150円)で販売されている洗濯のりで「化学のり」、「合成のり」などの消費品名で売られている。PVAの濃度を高めたい場合は、市販されている化学のりを購入して、鍋にいれて30分ほど弱火で焦がさないように煮詰めると2倍以上になる。
3 . 3 剥がし液塗布の方法
3 . 3 . 1
 比較的固い表面を有する材質については、濃度の濃いPVA液を刷毛で直接に塗布する。このとき大切なことは可能な限り均一な厚さの膜を形成させることである。PVAは、膜を形成すると材質との接着力が飛躍的に増大する性質がある。そのようにして形成された膜を剥がすと、建物を構成している材質に付着している放射性物質(福島市の場合は事前の核種分析によりほとんどがセシウム134,137であることがわかっている)も同時に剥がすことができる。
3.3.2 タイルやコンクリートで平面の場合は、比較的薄い濃度のPVAで膜が形成される。垂直壁のような場合は、PVA液の垂れさがりが生じるので、濃い濃度の塗布が必要となる。
3.3.3 凹凸の激しい材質の場合、膜が形成しにくい、剥がしにくい、という困難性が生じる。この場合は、濃度の濃いPVAを厚めに塗布し2時間程度経過して膜が形成され始めた段階で不織布(ポリエチレンテレフタレート繊維使用:1.1m×10mで1000円程度)を被せて再度PVA液を塗布して乾燥させて繊維強化プラスチックになってから剥がす方法をとる。
3.4 剥ぎ取った汚染膜は、折りたたんで可能な限り体積を減少させ、土のうに入れて、一時保管場所で線量を確認して保管する。
3 . 5 湿った土の固め方
 畑など比較的湿った土は、セシウムが表土から5cmから10cm下まで浸透していることが事前調査でわかっている。そこで、湿ったやわらかい土の場合は、市販されている濃度の薄いPVA液を、土の表面から均等に垂れ流し、重力により自然に浸透させる。この後で、スコップの裏面等平らな固いもので士の表面を叩く。そうすると、液状化現象が起こり、水が表面に上昇してくる。場合によっては、上昇してきた水を不織布などで吸い取り乾燥を速める。この操作によって、土の体積はもとの60%程度に減少し、放射能の閉じ込めだけでなく、除染後廃棄物の体積減少にも役立つ。天候がよければ4~6時間程度で表面が乾燥してくる。その後に、もう一度高濃度のPVA液を刷毛で塗布して数時間待つと固まってくる。
3 . 6 乾いた土の固め方
 乾いた土は、セシウムが比較的表表土近く(1cmから2cm下)に留まっていることが事前調査でわかっている。この場合は、濃度の高いPVA液を表土に対して均等に流し入れ、浸透させてから、表面を平らなもので叩く。水分を除去して、表面に膜を形成させる。膜が形成されると、高い保持力ができため、乾燥を確認してから、汚染されている部分をスコップなどすくいとる。
3.7 固まった土は、20cm×20cmくらいの大きさで、スコップなどですくい取り、土のうに入れて、一時保管場所へ収納する。

4.除染された放射能汚染物質の一保管場所及び保管方法
4.1 除染された放射能汚染物質は、除染場所敷地内から持ち出さず、敷地内保管を原則とする。
4.2 敷地内に土壌部分があれば、そこに穴を掘り(可能であれば1m程度)、ブルーシートを敷いて、そこへ土のうに入れた汚染物質を可能な限り体積圧縮を行ってから投入して、ブルーシートで覆い、その上から汚染されていない土を被せ、表面の線量率レベルを測定する。線量率が1μSv/hを上回る場合は、鉛板の蓋をする。

5.事後測定
5.1 除染の効果を客観的記録として事後に残すため、事前に測定した主要な場所の空間線量率については、除染後にも測定し、除染効果を確認する。測定は、鉛板で囲んだ局所測定と、周辺からの放射線影響を入れた測定に2種類を併用する。
5.2 事前、事後の測定結果は、電子情報で記録に残す。

6.除染経費の建て替えと請求
6.1 本来、除染費用は東電及び政府が負担すべきである。しかし当面、そのことが認められるまでは、住宅などの所有者が自ら建て替え、後日東電と政府に、請求書および領収書のコピーを送付する。
6.2 除染に必要な購入物品については、全て領収書を入試して、保管しておく。
6.3 除染に要した人件費(人数×時間×時間給)は、必ず記録に残し、請求する。
6.4 助成費用が建て替えられない家庭などの場合を考え、除染資金の別途確保を行う。
 この方法としては、助成金申請、カンパ要請、除染トラストの立ち上げなどが考えられる。

7.法的根拠
 原発事故の補償に関する法律は、推進を建前とし、事故は起こらないことになっていたので、今回の福島第一原発事故については「不備」そのものである。それゆえ「市民が自ら被曝をさけるためやむにやまれず除染を行う」という行為に関する法的根拠は、おそらく憲法第25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という生存権が最後に残ってくると考えられる。現在の福島市を含めた、放射能汚染都市の状況は、憲法25条に違反していると言える。法的根拠については、弁護士とも相談をし、今後より詳細に検討を加えていく必要がある。
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